PICTURE-BOOK絵本館
絵本館にげだした パンがし
11/8(水) 晴れ。
今日は一段と冷え込んで、真冬のような寒さです。風が冷たい!近所の小学校ではインフルエンザが流行り始め、すでに学級閉鎖のクラスもあるとか。怖い季節になりましたね。
こんな寒い日は焼き立てのパンが食べたくなります。今日ご紹介するのは、そんな焼き立てのパンのお話です。ほら、めんどりと仲良しのネズミがパンを焼いている良い香りがしてきましたよ。
「にげだした パンがし」 ラング作 高見のっぽ 文 柿本幸造 絵
めんどりとねずみがおいしそうなパンを焼いています。おいしそうに焼きあがったパンがし、さて食べようと思ったら、ころころ逃げ出した。「おや、パンがし君、どこに行くの?」とお百姓さん。「ねずみとめんどりがおいかけてくるの」とパンがしは助けを求めますが、お百姓さんは「おいしそうなパンがしだな。」と一緒になって追いかけてきます。洗濯地中のおばさんやキツネも加わり大騒ぎ! 最後は、ころころすたこら逃げるパンがしと、賢いきつねの対決です。さて、勝ったのは???
作者のアンドール・ラングは、スコットランドの民俗学者で、世界各地の昔話や伝説、神話を研究し、「青の童話集」から始まる色分けの童話集全12巻を作った人です。このお話もその中の一つです。その童話集の人気は今も衰えることがありません。皆さんも、小さいころにその作品に触れているかもしれませんね。是非この機会に、童話集をお子さんと一緒に読んでみて下さいね。
ちなみに、日本語の文章を書いた、高見のっぽさんというお名前、どこかで聞いたことありませんか?そう、昔、NHKの教育番組で「できるかな?」という幼児向けの工作番組があったのを覚えていますか?その時、着ぐるみのゴン太君と一緒に出ていたのが、こののっぽさんです。余談ですが。。。
絵本館14ひきのぴくにっく
11月2日(水) くもり
肌寒い曇りの朝です。つい最近まで暑い日もあり、早く秋が来ないかなと思っていたのに、一気に秋を通り越して冬になってしまったみたいです。しかも、もう11月!!! もうすぐ年賀状シーズン到来という驚き!年々、年が経つのが早まっているような気がします。年ですかねえ。。。
さて、今日ご紹介するのは、秋晴れの日に是非やってみたいピクニックの
お話。しかも、とってもちっちゃなちっちゃなお友達が出てくるお話です
「14ひきの ぴくにっく」 いわむら かずお さく・え
お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、そして兄弟10匹。14匹の賑やかなネズミの家族のお話です。ネズミの家族はおにぎりと水筒を持ってピクニック。このお話は春の森の中のピクニックです。ブログを書きながら、あ、しまった、春の絵本だったと気づいたのですが、気持ちはすっかりピクニックになってしまったので、続けて書かせていただきますね。
森の中を歩いていくと、エナガの赤ちゃんに出会ったり、ぜんまいやつくし、すみれをみつけたり、ヒキガエルに会ったり。春の野山の動植物が生き生きと描かれているので、お話の中に出てくる動物や植物を探して、「あれ?このお花何かな?やまぶきっていうんだね。」とか、「見てみて、こんなところにバッタがいたよ。あ、こっちにはてんとうむし。」という具合に、自然と子ども達との会話が弾みます。子ども達も、「あ、かえるがいたよ。こっちにはちょうちょ。」とドンドン自分でみつけていくことでしょう。それから、「とっくん、いないね、どこにいったのかな?あれ?こんな所に隠れていたね。」と、10匹の兄弟を一ページごとに探すのも楽しいですね。
このように、「14ひきシリーズ」は、ページをめくるごとに発見があり、ずっと見ていて飽きない絵本です。ぴくにっくの他に、「14ひきのひっこし」「14ひきのあさごはん」など、10冊以上ありますので、是非他の作品にも触れていただければと思います。
絵本館だんまりこおろぎ
10月26日(水)晴れ。
秋晴れのとても良いお天気、お散歩日和です。昨日の寒さとはうって変わって気持ちの良い青空が広がっています。
お散歩に出ると落ち葉やどんぐりなどが落ちていて、工作に使えそう、子ども達とどんな工作をしようかな、とワクワクしてきます。
さて、虫の音が聞こえてくる今日この頃、ご紹介するのは、、、、
「だんまりこおろぎ」 エリック=カール さく くどうなおこ やく
エリック=カールといえば、代表作は「はらぺこあおむし」でしょう。誰もが一度はあの絵本を見たことがあると思います。エリック=カールの作品は色彩が鮮やかで美しく、子どもだけでなく、大人も引き付けられる魅力がありますよね。グッズもたくさん販売されているのは、大人のファンの方も多いからでしょう。
そんなエリック=カールの作品の中で今日選んだのは「だんまりこおろぎ」。あるあたたかい日、ちょうど今日みたいな日でしょうか?一匹のこおろぎの赤ちゃんが生まれました。大きなこおろぎが羽をこすって挨拶しました。こおろぎのぼうやも、まねっこして、はねをこし・こし・こし。
でも、あらら、音が出ないよ、歌えない。
次々に出会う、バッタ、カマキリ、イモムシ、カにも挨拶をしようと思いますが、歌えません。こおろぎのぼうやが諦めかけていたとき、一匹のメスのこおろぎに会いました。その子に挨拶をしようと羽をこすってみると、、、、これまでに聞いたことがないような綺麗な歌声が聞こえてきました。
最後のページをめくると、リーンリーンと綺麗な音が聞こえてくる仕掛け絵本です。
普段あまり子どもたちが好きではないような蛾や蚊でさえ、エリック=カールの手にかかると色が美しくてうっとりしてしまいます。また、生まれたての小さなぼうやが、ページをめくるごとに少しずつ成長して大きくなり、メスのこおろぎに巡り合う頃には立派なオスのこおろぎに成長しているところも、是非見ていただきたいポイントです。薄い紙に色を付けて切り抜き、コラージュする手法で作られている絵本。鮮やかな色彩感覚から「絵本の魔術師」と呼ばれているエリック=カールの絵本、是非秋のこの時期に読んで頂きたい一冊です。
絵本館フランシスとたんじょうび
9/28(水)、晴れ。 先週まで、台風の影響でしょうか?雨の日が
多く、外遊びができなくて、ベリーキッズのお友達も体を動かしたりない
日々が続きましたが、やっとお天気になりましたね。今日もお散歩日和。
お散歩がてら、絵本館にも是非遊びに来てくださいね。
さて、今日の一冊は
「フランシスとたんじょうび」 ラッセル・ホーバン=さく リリアン・ホーバン=え
まつおかきょうこ=やく
明日はアナグマのフランシスの妹、グローリアのお誕生日です。お誕生会が羨ましいフランシスは、グローリアに意地悪なことばかり言います。でも、急に泣き出したフランシス。
フローリアに誕生日プレゼントをあげたいけれど、お金がなくて何も買ってあげれれないと。
そこでお母さんは、フランシスに2回分のお小遣いをあげました。妹のためにそのお金でガムとチョコを買ってあげたフランシス。でもでも、あれれ???気が付くとガムはフランシスの口の中に。。。。
フランシスは明日のお誕生会で、ちゃんとプレゼントをあげることができるのでしょうか??
鉛筆のタッチが柔らかく、色も優しいオレンジ色と黄緑色だけで描かれているので、全体的に柔らかく優しいタッチの絵本なのですが、それとは対照的に、フランシスはわがままを言ってみたり、妹に意地悪をしたりします。誰にでも一年に一回、自分が主役になれるお誕生日が来ますが、幼い子どもらしい嫉妬心や、妹だから意地悪をしたくなってしまう気持ちがよく描かれていて、思わずくすりと笑ってしまいます。せっかく妹に買ってあげたガムを思わず食べてしまった時には大笑いしてしまいました。あげたいけど、自分も食べたいし、という揺れ動く気持ちが、可愛らしいですね。
絵本館こんとあき
9/14(水)、くもり。時折小雨がぱらついて、変なお天気です。
夏の工作教室が終わり、すっかり静かになった絵本館。夏の賑わいが嘘のように静かです。
今日ご紹介するのは、
「こんとあき」 林明子さく
こんは、さきゅうまちのおばあちゃんのおうちからやって来たきつねのぬいぐるみ。
赤ちゃん用のベッドの横でずっと座って待っていると、ある日、赤ちゃんがやってきました。
その赤ちゃん、あきと、こんはすぐに仲良しになり、いつもどこへ行くのも一緒。
ところが、こんは段々古くなってきました。腕はほころびています。こんは、「だいじょうぶ、だいじょうぶ。さきゅうまちに帰って、おばあちゃんになおしてもらってくる。」
「わたしも 連れてって。」
こんとあきは、さきゅうまちのおばあちゃんのうちに、電車に乗ってでかけることにしました。
ぬいぐるみのこんと、あきのちいさな可愛らしい旅の始まりです。
小さいころに一度は読んだことがある、という方もいらっしゃると思います。
大好きなあきちゃんの為に奮闘するこんは、「だいじょうぶ、だいじょうぶ」といいながら、しっぽを電車のドアに挟まれて動けなくなったり、犬にさらわれて砂丘に埋められたり、大変なめにあい、最後はボロボロになってしまいます。
それでも「だしじょうぶ、だいじょうぶ」と言って頑張るこんの健気さが、とてもかわいいです。
又、こんに頼りきりだったあきが、ボロボロになってしまったこんを抱えて、自分でおばあちゃんの家を探し出しました。こんとの旅でたくましく成長したあき、二人の友情に、ほっこり心が温まるお話です。